白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
一人きりのエレベーターで
鏡の中の自分に向かって檄を飛ばし
「お待たせ
タクシー拾って来るから待ってろ」
ハナちゃんと
合流する
「黒尾くん、本当に良いよ?
タクシー使う距離でもないし」
「何かあったら大変でしょうが。
そういう時は素直にありがとう、だ」
エントランスで話す二人
傍から見たら
恋人に見えるかもな。
「ありがとう…。
ねぇ、黒尾くん…私のカンだから
アテにならないかも、だけど…」
ハナちゃんが
何か言いかけた
ソレを阻むように
「オハヨー
朝から何見せてつけくれてんのさ」
オイカーくんの声が重なった
「う、わ!なんだ?!
いつもいつもどこから湧いて…」
「クロちゃんの注意力が
散漫なんじゃない?
…で?誰?」
ハナちゃんにチラリと目をやり
俺をジロリと睨むオイカーくん
いやいや!睨みたいのは
俺の方ですぅ!
フラれたって言ってたくせに!
…って、だから。
女々しいっつの。