白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
ついつい見つめてしまう
綺麗な横顔に
「おぅ、赤葦早ぇな。
客送って来る
その足で得意先行くから
なんかあったら連絡くれって
及川くんに伝えといてくんね?」
後ろを通り過ぎる一瞬
香る髪の毛の香りに
またグッと胸が締め付けられる
「じゃあ、行ってくる」
早く離れないと
そう思った俺の足を
『あの…!』
止める声と瞳
俺を見上げる姫凪
やば…
『クロ…話が…』
その声も、その目も
受け流すには
「…行ってくんね
姫凪ちゃん」
まだこっちの気持ちが進めてねぇんだ。
必死に笑顔を作り
逃げるように部屋を出る
「あっぶね!
抱き締めたくなる所だったーー…!
…話って…やっぱりアレか?
オイカーくんと付き合うとか
そういう話…か?
聞きたくねぇーなー…
わかってても、嫌だな…
姫凪から聞くのは
…って!女々しい!
シャンとしろ!クロオテツロー!」