白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
ハナちゃんが
戸惑いながらも
吐き出す言葉が
この時の俺には
凄く嬉しくて頼もしくて
「…じゃあ、今度は
俺がなんか奢らなきゃなァ
明日会社来るならさ
俺がコーヒー淹れてやるよ」
「え、イイデス。
なんか下手くそそう…」
「なんでだよ!
バリスタ並に上手いっての!」
俺は少し笑ってた
またな、なんて
ありきたりに連絡先交換して
日曜の見合いも
お義理だけどしようなんて
笑い合って解散した
進める気はまだしないけど
進まなきゃと思った
姫凪、オマエの為に。
なるべく過去を見ないように
前だけ向こうと決めたんだ
それがオマエを傷付けるとも
知らないで
あんなにピッタリだと思ってた相性が
チョットズレただけで
こんなに傷を増やす事になるなんて
俺達は出逢わなきゃ良かったのか?
…なんてな。
苦しくても痛くても
傷だらけになっても
出会う前からやり直せるとしてと
俺はオマエに会える道を
何度も選んだだろうな