第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

生まれてくれたらと思うのに…な。

「「そんなに甘くない…」」

揃った声に少し笑って
コンビニに入り
然程美味しくもないコーヒーを
並んで選び
店を出る

ハナちゃんの家まで
後少し

「そっちは？復縁的な感じは？」

ポロリと溢した言葉に

「…あるわけないじゃん
彼女居るもん…
もう…追いかけちゃダメだって
分からせるみたいに
紹介された…」

ハナちゃんの涙が溢れる
"ゴメン"と言うより早く

「黒尾くんこそどうなの？
元カノさんは？
一緒の職場なんでしょ？
まだチャンスある感じ？」

ゴシゴシと涙を拭って
俺を見上げて
心配そうに聞いてくる

ホント泣かせてくれるなよ…

「…こっちもダメだろなァ…
さっき、オトコと居る所
バッチリ見ちゃったし…
それに…俺と居るより
楽しそうだった…
もう、諦めなきゃだよな
好きだけど…俺のエゴで
アイツをもう傷付けたくねぇんだ」