第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

分かってるんだ
別人だって
なのに…

「ちょっとー！
なにを馴れ馴れしく！」

「フラフラしてっからだろ！」

離したくない

「別に変な気起こせる
メンタルじゃねぇから
安心して支えられてなさいよ
なぁ、その…元カレとはさ
別れたっきり？
それとも…まだ会ってんの？」

傷を舐め合う相手が欲しくて
一人で居たくなくて
きっとそれは俺だけじゃない気がして

「…会うよ？
大学一緒だしね…
普通に話し掛けて来る…
向こうは吹っ切れてるみたいだけど
コッチはそうじゃない…のに、さ
彼女も…出来たみたい

…って！黒尾くんに
こんな話しても、ね～…
仕方ないのに…」

「話せよ、ってゆっか
同じ過ぎてビックリ
俺もさ…」

話を繋ごうとしてしまう

"分かる"そう言って欲しくて
そう言いたくて

お互いの傷を曝け出して
舐め合った

「…うわー…なんか
他人事とは思えない…」

「でっしょー？
ホントこれが運命なら
神様は非情だよなァ…
ドラマならここで新しい恋の
一つや二つ生まれんだろうに…」