白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
俺の声に
目を見開いたハナちゃんが
「…ウチ、なんにもないから
コンビニで何か買ってから
帰るから…それまで、話そうか」
少しフラフラした足取りで歩き出す
容易く家に入れない感じも
フラフラのくせに
一人で歩こうと踏ん張る姿も
どこか姫凪と重なって
「そーだな
迷惑料も払って貰わねぇと
困るしなァ!
ほら、嫌じゃなかったら
どーぞ?」
思わず手を差し伸べる
でも、まぁ
この子ならきっと
「大丈夫でーす!
そこまでヨボヨボじゃないわよ!
歩くくらいは出来る!」
こう言うよな
ホント…全然似てないのに
どこか、似てるんだよな
もう追えないアイツに…
「…またそんな顔する…!
ホント…ほっとけないなー
なにか奢ってあげるから
元気出して、ね…ぅわ!」
「あっぶね!
どっちがほっとけないんだか。
チャント歩けるまで
捕まってなさい」
強引に繋いだ手は
姫凪より冷たい