白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「…はぃ?」
「間抜け面してないで座りなよ
俺はキミの味方。
今日誘ったのもその為なんだから」
タバコに火を付け
「一本どう?」
「あぁ…サンキュ」
俺にも勧める
肺に回った濃い煙に
少しむせながら
オイカーくんを見ると
「クロちゃんもあの人も
俺を舐め過ぎだよ
俺が人の思うままに動くと思うかい?
それも…姫凪ちゃんが
一番悲しむ事の為にさ」
少し悲しげに遠くを見つめて
同じ匂いの煙を吐き出した
「じゃあ、オイカーくん…」
「フリだよ、乗ったフリ
あの人に協力するフリして
姫凪ちゃんには上手いこと
ネタバラシしといてあげる
前もってバラそうかとも思ったけど
ダメだね。
キミが分かりやす過ぎる。
気が抜けて絶対バレるから
当日ネタバラシする事にした」
「悪ぃな、手間掛けて…」
ゆっくり昨日の会話と
行動が繋がって行き
オイカーくんが言ってた
動き方を決めるって
この事だったのかと
頭が納得する。