第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

そう思うと無駄に爽やかな
この顔に後光が差して見える
気がした

「姫凪ちゃんの為だよ
てゆっか、クロちゃんって
頭キレそうに見えて
岩ちゃんくらい単細胞なんじゃない？
やりにくいったらありゃしないよ」

…後光は取り消す

「あ、ここのお会計お願いね？
すいませーん！デザート追加いいですかー？」

爽やかも取り消しだ！

「調子のんな！クソ川！
こちとら結婚資金の為に
日々節約中なんだよ！
タバコも減らして…」

「晩御飯とお酒もオネダリしよっかなー
木兎クン所で…」

「ヤメテクダサイ
最高に面倒くさくなる」

チャラけた会話を

「…結婚式には呼んでよね
俺の美声はいつでも
スタンバイオッケーなんだからさ」

真剣な声で締めくくる
その男前さに腹が立つ

「分かってますぅ
木兎と死ぬ気で取り合ってくれ」

「嫌だよ」

射し込む光に少し
心を癒され
前途多難な道も
少し明るく見えた

あんなイレギュラーが起こるなんて
思っても見なかった