白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
翌朝
『オハヨ、朝ごはん出来てるよ
食べられる?』
ウッカリ寝過ぎて飛び起きると
姫凪の用意は終わってて
リビングからは
コーヒーの香ばしい香りが漂って来てた
「うん、食う。
姫凪〜オハヨ…」
愛しさに任せて
姫凪を抱き寄せ
ハッカの香る唇を奪う
『コラコラ…朝からは
ダメですぅ
時間ないんだから』
クスクス笑いながら
俺を制す姫凪に
「じゃあ、オマエからキスして〜?
超エッチなヤツ…」
大人げなく甘え倒す
いつもの日常
昨日の夜が嘘みたいな
甘い朝
夢だったら良かったけど
「クロちゃん
ご飯行かない?
二人で」
やっぱり現実は甘くない
昨日の電話も
哀川さんの事も
「いや、姫凪が…」
「一緒に出来る話じゃないのは
クロちゃんが一番よく知ってるでしょ?
ここで話せる話でもないから
近くの個室の店行こうか」
夢なんかじゃない。