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私達は偽者シンデレラ

第18章 再会


「で、彼は?心春の今の彼氏?」


亮太が私に向かって尋ねてくる。


「違うよ。友達。」


日代君は私の様子がおかしいからか、私の方を気にしている


「俺は萩尾亮太。よろしく。」


亮太は日代君に手を差し出す。


「俺は日代雅晴。初めまして」


日代君はその手をとって握手した


「心春、ちょっと話したいことがあるんだけど、ちょっといいかな。」


「えっ…」


亮太が笑顔で話しかけてくるので、なんとなくおされてしまう


特に拒絶する理由もないので、うなずくしかなかった。


「日代君、ちょっとごめんね。」


亮太が歩き出したので慌てて立ち上がる。


「待てよ。」


日代君が私の腕を掴んでひきとめた


「嫌なんだったら、無理して行くな。」


日代君の言う通りだ。でも


「白黒つけなきゃならないことがまだあるから。ごめん。大丈夫。」


「…。あんな反応するやつが大丈夫なわけあるかよ。」


いつもよりも語気が荒い日代君。


きっと私が日代君の腕をとっさに掴んだ時のことだろう。


「本当に大丈夫だから、じゃあ行ってくるね。」


日代君が掴んでいる手から無理矢理離れるようにして歩き出す


数メートル先には亮太が立って待っていた



「ちょっと外ではなそう」


そう言って亮太は前を歩く。


亮太の背中を見ながら、ああ、私も彼が好きだったときがあったな、と懐かしい思いがよみがえった


この背中は絶対に届かない。と思ったことが何度あったっけ。


この人に好きだと言われて涙が出てしまったこともあったな。



でもそれは昔に起こった出来ごと。


宙ぶらりんになってしまってはいたが、もうそろそろ終わりが見えないといけないと思う





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