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君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】

第11章 兎丸の場合


時間はあっという間に過ぎて、空が赤く染まって行く。
さっきまで真っ青だった海もすっかり夕焼け色に染まっていた。
「わぁー。比乃君、綺麗だねー。」
「ホントだー。」
相づちを打ちながら、僕は目の前の光景に見とれていた。
僕から見ると、波打ち際で海に足を浸けながら夕焼けを仰ぎ見る制服姿の○○ちゃんの構図になってて、漫画とかドラマとか、絵画みたいな光景に見えたんだ。
タイトルをつけるなら青春?
あぁ、僕の考え方がすでに青臭いな。

ひゅっと潮風が吹いて、○○ちゃんの髪の毛やスカートを揺らした。
「きゃいっ!」
なんか変な声を上げて、○○ちゃんは両手でスカートを押さえる。
風はすぐ収まって、ふわっふわになっていたスカートはストンと大人しくなった。
「惜しかったなー。」
もうちょいで見えそうだったのに。
「はぁ!?」
素直に言ったら、○○ちゃんが真っ赤な顔して怒っちゃった。
「比乃君の変態!」
「あっははははは!」
すたこらさっさ、拳を振り上げた○○ちゃんから逃げ出す。バシャバシャと足元が水飛沫で濡れた。
「待てこらーっ!」
「あははっ!捕まえられるもんなら捕まえてみろー!」
僕は○○ちゃんに追い付かれまいと、夕陽に向かって走る。
あれ?これってまさに青春じゃん?
気付いたら○○ちゃんも、笑いながら僕を追いかけていた。
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