第1章 新生活の幕開け
ー2日後
わたしは今、購買の前にいる
風邪は、なるべく早く学校に行きたくて、入学式の次の日には治して学校に行った。
すこしコソコソと話す女の子の声が聞こえた気がしたけれど、すぐに終わり、平穏な学校生活が送れそうな予感がする。
それに幸い、同じ中学の親友である立花香織も同じクラスだったため、ぼっちトイレ弁当コースは避ける事ができた。
さて。それよりも、だ。
わたしはおしるこを一日一個飲まなくては気が済まない体なのだ。
しかし、おしるこがある購買の前にはパンやおにぎり争奪戦争が巻き起こっていて、なかなか目的地に辿り着く事ができないでいた。
くそ…あとちょっとなのに…!
よくよく見たらおしるこはラスト1個
これはやばい、と思い、思いっきり腕を伸ばし、人と人との間をなんとかかきわけ、おしるこを掴むと同時に
「「これください!」」
「「ん??」」
隣には黒髪の男の人がこっちを見て、わたしと同じおしるこを手にとっていた。