第1章 新生活の幕開け
憧れの秀徳の入学式を休む、ということももちろんショックだ。
けれどわたしのショックは違う所に向けられていた。
それは、人付き合いがあまり得意ではない事だ。
入学式に欠席という事は、その分クラスで馴染む事が出来にくくなるという事。
しかも、きっと教室へ行けば、
「あの子入学式休んだ子だ」
と、噂になるに決まってる。
嫌だ。嫌すぎる。
クラスの笑い者になるなんてごめんだ。
ちくしょう、入学式の自己紹介で笑いをとるため5時間考え込んだあの日はなんだったんだ。
こっちで笑いをとりたかった。
「〜〜〜〜っ!!もう!!●●中学出身富坂鶴子!!!!あだ名はつるこでした!!!!特技はおしるこの早飲み!!趣味はおしるこ巡りの旅です!!!!!!!よろしくお願いします!!!!!!!!」
もうヤケだ。
わたしは部屋どころか家中、下手したらご近所中に聞こえるくらい大声で5時間悩んだ渾身の自己紹介を叫んだのだった。