第1章 新生活の幕開け
桜
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どこもかしこも桜だらけである。
わたし富坂鶴子は、今、秀徳高校の入学式に来ている
…はずだった。
そう、「はずだった」のだ。
秀徳高校はそれなりに偏差値の高い学校である。
そのため、どうしても秀徳高校に入りたかったわたしは、一生懸命、それはもう、鉛筆削りでシャーペンを削り出すほど勉強をした。
そしてやっとの思いでなんとか合格を果たし、憧れの秀徳高校での学校生活の幕開け…!
という夢をのせ、ウキウキと入学式の準備の買い出し中、見事に車に水をかけられ、38.5度という高熱を叩き出してしまったのだ。
「ありえない……」
これほど桜の花びらを憎いと感じた事はない。
午前10:30
今頃は、たくさん勉強して秀徳に入った新入生が、「入学式」と書かれた看板の前で笑顔で写真を撮っているのだろうか。
羨ましい。
羨ましさを通り越して、むしろ妬みすら覚える。