Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第7章 ☆うちのネコ《孤爪 研磨》
【蒼井 side】
今、私はネコを飼っています。
そのネコは、バレーが得意です。
そのネコは、頭がプリンです。
そのネコは、ゲームが大好きです。
そのネコは、孤爪研磨といいます。
そのネコは―――
―――私の、彼氏だったりします。
―*―*―*―*―*―*―*―*―*―
高校2年生になってしばらくした、とある土曜日。今日は私の家で幼馴染みの鉄朗と研磨とお勉強会。
なぜかって?
単純明快、テストが1週間後だから。
『もぉー、分かんんない!なんでここで√が出てくるのよ、計算のジャマ!』
「あのね、そーゆー問題だから…」
『無理数と有理数とか分かんない!』
格闘していたプリントをわしづかみ、グシャグシャに丸めてポイと投げる。投げたそれは、見事にゴミ箱にインした。ちっとも嬉しくないね。
それを見て、鉄朗がブヒャヒャと気持ち悪い笑い方をした。
「おーおー、今日はいつになく荒れてますねぇ、海宙チャン」
『テストなんて無くなっちゃえ!』
本当に、要らない。テストが無くなって、代わりに欲しいものが全部手に入れば良いのに。新しい本、洋服に夏用のサンダルも。あれもこれも欲しいけど、やっぱり1番は…
『彼氏欲しいぃぃぃ…』
ゴンッと鈍い音をたて、私のおデコが机に激突。結構痛いね、コレ。
「お前、今フリーなの?」
『そうですぅ、何か悪いデスカープレイボーイの鉄朗クーン』
ぐりぐりとおデコを動かしながら呻く。鉄朗の"オンナノコカンケイ"が大雑把なのは、中学から変わらない。
「…なら、おれと、付き合おっか?」
『うんっ、そうする!………て、え?』
け、ん…ま?