Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第5章 あい・らぶ・ゆー!《鎌先 靖志》
【鎌先 side】
惜敗のインハイ後、某日某放課後。バレー部の部室にて。
「好きだ!付き合ってくれ!」
『え、よっよろしくお願いします!』
「マジか!?」
『言ってきたのそっちじゃん!?』
急ではあるが、彼女ができ、こんな感じで付き合うことになった。
彼女の名前は蒼井海宙。伊達工業高校の3年A組で、我らがバレー部のマネージャーでもあった。
過去形、なのには理由があって、インハイを終えた後に引退したからだ。
告白したのはチャンスだと思ったから。好きなヤツがいないと聞き、思いきって言ってみたらあっさり承諾された。
蒼井は大学に進学するらしい。なんでも推薦枠があるようで、そこを目指しているとかなんとか。
俺は、就活だぜ?大学なんてガラじゃねえし、とりあえず社会に出て仕事がしてえ。バレーも続けたいから、地元チームにでも入ろうか。
そんなことを考えながら歩く。向かう先は練習中であろう、体育館だ。
俺たち3年は引退後もこまめに足を運んでいる。二口とか青根とか頭痛の種は山ほどあるし、やっぱりアイツらといるのが楽しいのだ。
体育館に入ると、練習している部員の姿があった。キュッキュッとシューズの音、スパイクを決める爽快な音。全てが懐かしく思える。数週間前まではあそこにいたのにな。
「よう、やってるかー!」
声を掛けるとカワイイ後輩どもがゾロゾロと集まってきた。さあ、先輩を敬え!