Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第22章 ★オモチャと彼女《国見 英》
~オマケの1コマ~
【NO side】
8時集合、なのに国見が到着したのは1時間オーバーの9時だった。勿論、隣には一緒に走って登校した蒼井もいた。
そして遅れて部活に出た国見を襲ったのは、まず先輩からの叱咤だった。
「国見ちゃん、遅れる時は連絡寄越してよ!及川サン心配なんだからね!」
「………」
「国見、連絡は基本だぞ」
「すんませーん、岩泉さん」
『私も、すいませんでした』
当たり前にスルーされる及川。その姿は、風が吹けば飛んでいきそうな、真っ白な灰と化していた。
「じゃあ着替えてきます」
『あ、国見待ってよー』
パタパタと出ていって数分、マッハで着替えてきた2人が戻ってきた。国見はTシャツとハーフパンツ。蒼井はTシャツに長ズボン、それとジャージの上を抱えている。そして蒼井を見ながら、金田一が呟いた。
「あれ、蒼井」
『はーい?』
「虫にでも刺された?」
『なんで?』
「いや、首んとこに痕がいっぱい付いてる」
「『…あ……』」
金田一が自分の首を指しながら言った。あ、と呟いて、国見と蒼井は顔を見合わせた。国見は平然としているが、蒼井は顔を赤らめている。
それに気付いた先輩連中、ここぞとばかりに国見をイジる。なにせ、普段は飄々としているから、金田一程からかえないのだ。
「あれ、虫刺され?」
「昨日は蒼井が家に泊まったんだろ?蚊取り線香焚いてなかったのか?」
「いやー、まさか虫が出るとは思わなくて」
「ためだろー、刺されてんじゃん」
「デスヨネー」
そして金田一は言った。
「なぁ蒼井、それ痒くねーの、平気?」
『金田一…なんか、ごめんね』
「え、は、何が?」
『うん、なんか。 やっぱり、ごめん』
「え、ちょっ、待って。なんで謝んの?」
ごめん、なんで、ほんとごめんね、いやだからなんでだよ。そんな会話が延々と繰り返される。
「ピュアだ…」
「純粋だ…」
「無知って、こえぇ…」
それを見ながら、彼氏1名と先輩4名は憐れみの視線を金田一に送った。
数日間"ピュアホワイト金田一"の名でからかわれる金田一なのであった。
『ごめん…』
「なんでだよおぉぉぉお!」
今度こそEND.