Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第22章 ★オモチャと彼女《国見 英》
【国見 side】
俺が情事の後片付けをし、寝転がると彼女は幸せそうな顔をした。おやすみ、と呟き、吸い込まれるように眠りへ落ちた。
「無理、させちゃったよな…」
しっとりと汗ばんだおデコに貼り付く前髪を手ですきながら、謝る。
初めてシたのは中学生の時。今にしてみれば、早すぎる脱・童貞&処女だと思う。
それでも、あの時は早く1つになりたいという思いでいっぱいだった。だから彼女を泣かせてしまったし、ツラい思いをさせた。
「幸せに、するから、な…」
隣に大好きな海宙がいるという幸せを噛みしめながら、いつしか俺も眠っていた。
―*―*―*―*―*―*―*―*―*―
スマホの目覚ましで起きる。7時30分という時刻表示に焦るが、今日は土曜日だった。
「あ、部活…まいっか」
案の定、スマホには及川さんや岩泉さんからの連絡が、それこそ嵐のように来ていた。
むくりと起き上がれば、ぱさりと布団がはだける。聞こえる寝息に目を移せば、すっぽんぽんで眠る海宙がいた。
そうか、彼女の隣で寝ていたんだった。
なんで裸?あ、セックスしたからだ。ってかそれ以前に、すっぽんぽんにしたの俺だわ。
布団を掛け直してやると、モソモソと動いた。それから寝惚けた瞳が俺を捉える。
「おはよ、海宙」
『ん、おはよぉ、あきら…』
起き上がって俺に抱き付く海宙。おっとぉ、ぷにぷにのおっぱいが当たってるぞ。
「なに、朝からヤりたいの?」
『なっ、んなわけないでしょ…///』
「夜はアンアン喘いで可愛かったのになぁ」
『ばっ、かじゃないの…///』
と、言いながら、俺を抱きしめる。お、ツンデレだな、可愛いなぁ。頭を撫でてやると、控えめに名前を呼ばれた。
『オモチャ、使うのは良いんだけど…』
「ん、何?」
『激しいのは疲れる。それに私は、やっぱりオモチャより…』
英ので、イきたい、かな…///
どうして朝から、そんなことを言うんだよ。あぁもう。元気になってるし…
「ごめん、我慢できない」
『え、ひゃあっ!?』
俺が彼女を押し倒したのは、至極当然のことだと言えるだろう。
たまにはオモチャも、良いかもな。
だって、いつもは知らない、
彼女を見付けられるから。
END.