• テキストサイズ

Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第21章  誕生日と彼女《金田一 勇太郎》




~オマケの1コマ~


【NO side】


「…で、無事なんとかなりました!」

そう言うのは、金田一勇太郎。彼は、昨日誕生日を迎えたばかりだ。16になった彼はツルッと1皮剥けたというか、清々しい笑顔だった。

「ほぉ、良かったな」

「ま、及川サンのおかげかな~」

「黙ってろクソ川!」

ごっつーん、と岩泉が及川に拳骨を落とす。いつもと同じく、痛そう。それを冷めた目で見ながら、そういえば、と言うのは、着替え途中でTシャツが脱げかかってる国見。

「海宙が今日ずっとニヤニヤしてたんだけど、なんかしたの?」

「えっ!?い、いやぁ、別になにも…///」

明らかに動揺し、狼狽えた様子の金田一を、部員がじろりと睨む。その筆頭は、彼女にフラれそうになってる及川だ。

「まさか…キスしたとかっ!?」

「なワケ!」

「正直に言いなさい、どっち!?」

「ハイッ、イイエッ!」

「だからどっち!?」

漫才でもやってんのかよ、それな、と笑う花巻と松川。そんな中、岩泉だけは真面目な顔のままだった。

「恋するも付き合うも自由だが…インハイが近いからな。その辺、調節しろよ」

「は、ハイ!」

途端にサッと引き締まった表情になる。岩泉の言う通り、もう少しでインハイがやって来る。今年こそは王者"白鳥沢"を倒して全国行きの切符を手にするのだ。

「おし、着替えたヤツから練習だ!」

「「ウッス!」」

副キャプテンの掛け声に、全員が返事。その表情は、貪欲に勝利を求めるそれだった。ぞろぞろと体育館に向かいながら、ふと金田一が呟いた。

「海宙に応援来てもらおうかな…」

それを危機逃さないのが先輩たちである。

「金田一っ!キャプテンを差し置いてどういうつもりなんだッ!?」

「金田一、それはズルいぞ」

「リア充反対」

「リア充爆発しろー」

「な、なんでっすか!?」

理不尽なことを言う、大人気無い先輩たち。それに呆れつつも羨ましいと思うのは、一人怠そうな国見だった。

「ま、大事にしてあげてよね。俺のいとこ」

「お、おう!」

友人からの思わぬエールに喜びつつ、インハイでは彼女に良いところを見せたいと思う金田一なのであった。

その後、それを及川に指摘されるのは、言うまでもないことだったが。




              今度こそEND.
/ 535ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp