Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
【蒼井 side】
夕陽の照らすバスの中。スマホをタップし、ギャラリーを開いた。スライドさせればよみがえる想い出。
行きのバス、一人寝る京谷。
電車から岩泉さんと撮った海の写真。
旅館での晩ご飯の光景。
それからなんといっても海。
怖い思いもしたけど、それ以上に楽しかった。
夜空に輝く打ち上げ花火。
そしてさっき、全員で撮った写真。
短いようで長いような。とても濃い3日間だった。たまにはこんな非日常があっても良いのかもしれない。
『また、行きたいな…』
「今度は、2人で行きてぇ」
隣の京谷に、口許が弛む。本当にこいつは。
『それは、ちゃんとチームに貢献してからね』
「…善処する」
渋い顔でいう京谷に、笑った。
隣では及川さんが騒いでいる。花巻さんと松川さんが笑って、岩泉さんが呆れて。国見と金田一もそれに加わって。
目を閉じれば浮かぶのはみんなの笑顔。素敵な想い出を、色褪せない想い出を。
心からの、ありがとう。
夏の出来事は、イチゴのショートケーキみたいに甘酸っぱくて。それでも、楽しくて。
いつもの光景に微笑む私の手の中では、スマホの画面で笑う、みんなの姿があった。
ありがとう。
本当は、みんなのこと大好きだよ。
END.