第2章 夢と現実の境界線
その晩、成瀬の寝床について会議が開かれていた。
四人で机を囲み成瀬を除いた三人が腕を組み悩んでいた。
「よし!私と一緒に寝るアル!」
「さすがに狭いでしょ。成瀬さん怪我してるんだからそれは駄目だって神楽ちゃん。」
神楽は左の掌を右手の拳でポンっと叩き案を出したが、新八に尽く論破され却下された。
そして間もなく銀時も神楽と同様に閃き案を出し始めた。
「よし!じゃあ俺と一緒に……」
「死ね。」
銀時の考えた案は最後まで言い終える事なく成瀬の一言によって即却下されてしまった。
銀時は、せめて最後まで言わせてと地面に座り込み人差し指で床に円を描きながらいじけ始めた。
そんな銀時には見向きもせず新八と神楽は再び腕を組み考える。
「いいよ、私ここで寝る。」
成瀬は指で自分が今座っているソファーを指で指しながら言った。
「そんな駄目ですよ!ちゃんとした所で寝ないと!」
「あ!成瀬が銀ちゃんの布団で寝て銀ちゃんがそこで寝ればいいアル!」
「おい!!ここ俺ん家だぞ!?なんで俺がこんな石板みたいなソファーで寝なきゃいけねぇんだよ!!」
一向に話が纏まらず時間ばかりが過ぎて行く。
言い争う中銀時は仕方ないと最終手段を提案した。
「……予備の布団あるからそれ出すわ。ちゃんと離すからよ。それも駄目か?」
銀時が出した案は、布団を一式出し、同じ部屋だが成瀬が納得する位置まで布団を離すというものだった。
いくら離すといってもさすがに同じ部屋は嫌がるかとダメ元で出した案だったが、以外にも成瀬はすんなり了承し寝床が決定した。
話が纏まった所で新八は自宅へ帰り、神楽も寝床と言うなの押入れに行き、銀時と成瀬は布団を敷く為に和室へ向かった。
「そういえば、風呂入りてェんなら好きに使っていいからよ。」
「うん、ありがとう。明日借りるよ。」
布団を敷き終え、布団同士を離し二人はそれぞれの布団の中へと入った。
「何かあったら叩き起こせよ。」
「子どもじゃないんだ、大丈夫だよ。」
お互いに寝る準備は整い、おやすみと言い合い二人はすぐに意識を手放した。
こうして成瀬の万事屋での生活が始まった。