• テキストサイズ

【 銀魂 】愛を教えてくれた人 ― R18 ―

第2章 夢と現実の境界線




「おうおう、やっとお目覚めですか?」


そう言って私の目の前に現れたのは、銀色の髪を纏い紅い瞳を持つ男だった。
怠そうに腕を組みながら私に視線を向けている。
私はその視線に耐え切れずすぐにその男から目を背けた。

そしてこの瞬間から湧き上がる疑問。


「どうして、助けたの。」


躊躇うこと無くその疑問を吐けばその場の空気が一変した。


「人が折角助けてやったって言うのに第一声がそれか?失礼な奴だな。」

「誰も助けてなんて頼んでない。」


放っておいてくれれば、あのまま死ねたかもしれない。
死にたかった訳じゃ無い。でも生きたい訳でも無い。

ただ、何かを背負って生きていくのはもう疲れた。

あの時、もう少し人気のない所まで行くべきだったと、後悔した。

勿論こんな事を言っている私に、良心だろうが何だろうが助けた相手にこんな事を言われれば誰でもいい気はしない。
銀髪の男は私を冷ややかな目で見下ろしていた。


「そんな事言わないでヨ!助けるのに意味なんて無いネ!」

「そうですよ、貴方の事なんて何も知らないけど、目の前に倒れてる人を助けるのに理由なんてありませんよ。」


銀髪とは違い、この二人は悲しそうな目で私を見る。


「意味も理由も無いのなら、尚更助ける必要なんて無いでしょ。」

「そんな…。」

「そうかい、じゃあ何処にでも行って勝手に野垂れ死にでもしろよ。」


まだ幼さい少年少女等関係無く我ながら酷いことを言い放つ私に呆れたのか、銀髪の男は踵を返し部屋から出て行った。


「あ、ちょっと銀さん!」


“銀さん”そう呼ばれたその男を追って新八と名乗った少年も部屋から出て行った。
私はその行動に目は向けず、ただ軽く俯きボーッと私に掛けられた布団を眺めていた。


/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp