第2章 やっと一歩
「飲み物、何がいい?」
連れていかれた先は休憩所。
そこに着くなり、下野さんがわたしをそこにあったソファーに座らせる。
そして、自動販売機の前に立って何がいいかと訊いてきた。
『え?えっと、じゃあ·····ミルクティで····』
「ん、了解っと」
落ちてきたミルクティを片手にこちらを振り返る。
「隣、いいか?」
『あ、はい』
「はい、どうぞ」
ミルクティを渡される。
『ありがとうございます。····あ、お金払いますね』
わたしが小銭を出そうとすると、下野さんがそれを止める。
「いや、いいって!先輩の顔、立てさせろって」
『それじゃあ、お言葉に甘えて』
そして、それからしばらくの間沈黙が続いた。