第10章 ───血塗れの首元で感じて─────
この部屋からシュウの匂いがするのは、さっき服を取りにきたからだよね。
落ち着かなくて、さっさとベッドに身体を沈めた。
の匂いがする。
「悪くないね。」
シュウとレイジの言葉に苛立っていたキモチが薄れていく。
オレをこんな気持ちにさせるなんて、ホントすごい子。
今スグ抱きしめたくて仕方ない。
・・・決めた。
帰ったら1日中ベッドから出してやらない。
「ククッ・・・楽しみだ・・・───」
ん・・・?
ドアの開く音に目を覚ます。
「シンくん・・・寝てる?」
「ん。
・・・寝てるよ。」
だ。
返事をするやいなやいきなり抱き着いてきた。
「っと、危ないでしょ。」
ん?シュウの匂い。
「ごめんなさい。」
「どうしたの?オレが居ないと眠れない?
・・・なんて言うと思った?」
の身体が震えた。
「シュウにされた事今からオレにしてみてよ。」
「えっ・・・」
「できない事でもされたわけ?」
そっとの髪を梳きながら問う。
首を横に振る。
「ねぇ。今オレがどうしたいか分かるでしょ?
それに、なんでしないのかも・・・分かるでしょ?」
俯いた顔を上げさせる。
「・・・ごめんなさい。」
泣きそうな顔も嫌いじゃないから困るんだよね。
「許してやる・・・
だから・・・何されたの?」
は戸惑いながらもオレの頬に触れ、首に唇を寄せた。
「んっ・・・。」
そのまま可愛い牙で甘噛みをする。
「そう・・・。」
の頭を撫でる。
兄さんといい、シュウといい・・・どうしてこの子はこんなにも引き寄せるのだろう?
だからってこの子に触れていい理由にはならないケド。
を胸に抱き寄せ潤んだ瞳にキスをした。
「シンくん・・・私おかしいの。」
「ん?」
「シンくんに触れてもらいたくて・・・」
「今も触れてるでしょ?」
思いがけないの言葉に口元が綻ぶ。
「・・・そうだよね。」
羞恥に染まるにとても惹かれる。
「今はこれで我慢して────」
「えっ・・・」