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This blood is your thing

第8章 Ⅱ ───狂おしい程に───



頭を抱えながら癖で床に腰をおろす。

カルラさんは呆れたように私を見下し、腕を伸ばした。
そして私の髪に触れた・・・

もしかしてバレた?
金色の瞳に、考えている事が見透かされているのではないかと思う。
カルラさんは何度も私の髪を梳く。

バレてな・・・い・・・?

「もしかして・・・乾いてる?」

カルラさんの指が触れた髪は、瞬く間に乾いていく

「カルラさんすごいです!」

流石始祖王本当にすごいなぁ。

「容易い。
だがそれよりも・・・」

「えっ?」

タオルを取り払われた。

「ほう・・・なんだこれは?」

ほんのり温かい指が耳に触れる。

「っ・・・!」

唯、耳に触れられているだけなのに身体にチカラが入らなくなる...。
何故かカルラさんの指が恐ろしく心地良い。

「答えろ・・・。」

耳元で優しく問う声に、身体が勝手に反応する。

「あっ・・・」

慌てて自分の口を隠すが耳、髪に触れるのを止めてはくれない。

必死に首を横に振る。

「違ッ・・・これ・・・はっ・・・」

カルラさんの手を止めるように手を重ねるが全く意味は無い。

「・・・どうした?」

そう問いながら私の腰を引き寄せた。

「嫌なら拒んでみろ。」

「っは・・・い。」

返事をしたものの、心地良いこの指先を振り払う術を私は知らない...
声を抑えるだけで精一杯だ。
カルラさんの腕に手を掛けては滑り落ちる。

「カルラ・・・さ・・・」

優しく触れる指先。

「・・・始祖を誑かすのが上手いな。」

必死に首を横に振る。

カルラさんの触れ方に抗う気力はどんどんと削がれていく
いっその事身を委ねてしまいたくなる。
あぁ瞼が重い。

「ごめん・・・なさい・・・」

カルラさんが一つため息をつき、額に柔らかな何かが触れた気がして眠りへと堕ちていった。
そして身体が浮いたような気がした────。

何故、カルラさんを拒めないのだろう・・・
大人しくシンくんの隣で寝ていれば良かった。
次に瞼を開けたら罪悪感で押し殺されそうだ
私はシンくんが好きなのに。

シンくん
シンくん

シンくん・・・。



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