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【マギ*】 暁の月桂

第27章 緋色の夢 〔Ⅻ〕


女官がこちらへ差し出した手に、切れた髪紐を渡そうとして手が止まる。

「……どうしましたか? 」

「あ、いや……、なんでもねぇ」

そのまま女官に二つに切れた黒い髪紐を手渡した。

「では、少しお待ち下さいね」

女官が部屋を出て行き、バタンと扉が閉まる音が響く。

静かになった部屋の中でジュダルは手を見つめ、今しがた女官に手渡した髪紐の形をなんとなく思い出していた。

まるで二匹の黒い蛇がいがみ合っているようだった気味の悪い形状が、ほんの少しだけ気になって。





















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