第25章 緋色の夢 〔Ⅹ〕
熱く深まっていく、逃げられそうにない身体の疼きを感じながら、ハイリアはジュダルを見つめて涙をこぼした。
「……おねがいっ……、キスしてぇ……」
赤い眼差しが面白そうに笑っていた。
「キス? 欲しかったら、おまえから来いよ」
ブチリと音がして、拘束されていた両手が紐解かれた。
繋がり合ったまま彼に抱き寄せられて、座る彼と対面させられる。
「ほら、欲しいんだろ? 」
わざと舌先をのぞかせる、ジュダルの試すような視線が降り注いだ。
妖しいその色に魅せられて、思考が麻痺しておかしくなる。
導き出された彼の手を掴むように、ハイリアはジュダルの首元に赤いアザのついた腕を絡めて、その舌先に吸い付いていた。
まやかしにも思える熱い感触に溺れていく。
彼の温もりを確かめるように舌先を絡めて、欲望のままに深い口づけを交わしていると、急に下から突き上げられてくぐもった嬌声が漏れ出した。
何度も律動を送られて、熱く痺れていく身体にキスどころではなくなってしまう。
「っはぁあ……あ、だめぇえ……! 」
ぶるりと身体が震え、崩れ落ちないようにするのが精一杯になりながら、ジュダルに寄りかかって甘い声を響かせた。
「キスはもういいのかよ? 」
「だってぇ……あァ、じゅだるが……っ、やぁあ……ふっかぁあっ……! 」
腰をもたれて深々と奥まで入れられた刺激に、身体がびくついて痙攣する。
「いい反応だな。締め付けてきて気持ちいいぜ、ハイリア」
「だっめぇ……もぉ……、もぅっ……んあぁ! 」
ジュダルに送られる、深すぎる律動に乱れ喘いだ。
びくんと背中が反り返り、彼に胸を吸い付かれて高い声で叫び鳴く。
「ひゃあっ……いやぁあ……あっ、あっ! 」
昇り上がってくるような強い感覚に、視界がチカチカし始めた。
這わせられた彼の舌先が首筋を上がっていき、耳を愛撫される。
その水音が身体の奥にまで響いて、頬が熱く火照った。