第25章 緋色の夢 〔Ⅹ〕
「何言ってるか、さっぱりだな……。どうしたいんだ? 」
囁かれたその声に、身体がぴくんと跳ねて反応する。
疼いてしまうその反応を面白がるように、ジュダルが背中に抱きついたまま、耳元で声を響かせた。
「なぁ、どうしたいんだよ? 」
深く響いた声で、中にいる彼を締め付けてしまい、頬が熱くなる。
伸びてきたジュダルの大きな手に胸を包まれて、またピクンと身体が跳ねた。
色づいた頂きを指先で撫でる彼の刺激に、ビクビクと身体が反応してしまい、じんわりと熱く火照る。
甘く酔わされていくのを感じながら、乱れた熱い吐息を漏らしていた。
「ほら、ちゃんとねだれよ、ハイリア……」
できるだろう、とジュダルが囁いた。
深まる熱が疼いてしまう感覚で、頭がぼんやりとする。
「はぁ……、いや、なのぉ……、あっ……じゅだる……、みえない、のぉ……」
「そ、じゃーこれでいいよな? 」
うつ伏せの身体を横に倒されて、足を持たれて開かされた。
意地悪な笑みを浮かべた楽しそうなジュダルが見えるどころか、繋がった局部まではっきりと見えてしまう、いやらしい体勢だ。
彼のものをくわえこんでいる秘所からは、つややかな蜜が溢れ出ている。
自分の肌だけでなくジュダルの肌まで濡らして、てらてらと妖しく光るそれが目に入り、恥ずかしすぎて泣きたくなった。
「いやぁ……、こんなのぉ……」
「めんどくせぇーな。だったら、どう、してーんだよ! 」
最奥を刺激するように、彼のもので強く突かれて大きく喘ぎ鳴いた。
何度か律動を送られて、ふいに止められる。
ぞくぞくとする熱い疼きが苦しい。
「何が欲しいんだ、ハイリア? 」
口元をつり上げるジュダルは、恐らくわかっている。
わかっていて、わざと遠くから手を差し出すのだ。
契約をもちかける悪魔のように。
きっと彼は、自ら堕ちていくことを望んでいる。
その手を取ったところで、嘘の優しさに包まれた甘い罠は、痛みを伴い、虚しさが残るのだろう。
偽りの愛情なんて、闇に染まることが確約された、いばら道なのだから。
それなのに、欲しかった。
ジュダルが欲しかった。
だって、彼さえ失くしてしまったら、本当に自分はひとりぼっちで……。