第25章 緋色の夢 〔Ⅹ〕
「……ジュダルの……、わたしに入れて……」
振り払いたいような熱い感覚の波から早く逃れたくて、彼に誘われるままに口にする。
その恥ずかしさで、頬を涙が伝っていた。
背けたくなる泣き顔を覗き見るように、ジュダルは赤らんだ頬を押さえつけて上から視線を注ぐ。
「入れるだけでいいいのか? ちゃんと言えよ、ハイリア」
威圧的なその眼差しに、彼が望むだろう言葉を探していた。
差し出された手を取るように、妖しい赤い瞳に囚われる。
「……おねがい……、わたしを、イかせて……」
声を震わせて言うと、ジュダルがにんまりと笑みを浮かべた。
「上出来だ。望み通りにしてやるよ」
とたんに、仰向けに押し倒されていた身体がぐるりと反転して、ハイリアは目を丸くした。
腹這いにされた身体を持ち上げるように、ジュダルに腰を浮き立たせられる。
「いや……、こんなかっこう……! 」
四つん這いのような恰好は、まるで獣のようだった。
ジュダルの顔も見えないのに、秘所にいきり立った熱いものがあてがわれる感触がして恐い。
けれど、縛られた手が自由になるはずもなく、抵抗すら許されなかった。
疼き熱をもった花園にズプンっと彼のものが挿し込まれ、最奥まで深く入ってきた熱い圧迫感に身体が震え上がる。
「はぁあっ……、だめぇえ……」
「おまえ、締め付けすぎ」
くっくっと、ジュダルが面白そうに笑っていた。
「お望み通り、イかせてやるから覚悟しろよ? 」
ジュダルがそう言って動き出したとたん、強い刺激が駆け抜けた。
腰を持たれて突き上げられる。
「あぁッ……、やぁあっ……! 」
身体の奥にまで響く、深い快感に大きく喘いだ。
逃げ出したいような、ぞくぞくとする感覚の強さにもだえながら、甘い声を部屋に響かせる。
律動が繰り返されるたびに、繋がりを求める花園が熱く疼いていた。
絡むその場所からは、ぱちゅん、ぱちゅんと水面を弾くような音がする。
恥ずかしいその音と、ジュダルの律動に酔わされて、頭がショートしそうだ。
ずっと堪えていた熱い激流が立ち昇ってきて、ハイリアは強い快楽の波に震えた。
「やぁあッ……、イっちゃうぅっ……!! 」
ビクビクと身体が小刻みに痙攣し、真っ白な浮遊感に包まれる。