第25章 緋色の夢 〔Ⅹ〕
「ああっ、いやぁあ……、イッちゃぁ……! 」
昇り上がる感覚に呑み込まれそうになった瞬間、再び刺激を止められた。
身体の奥が熱く疼いて苦しい。
潤みをもった花園から溢れた蜜が、肌を伝う感触がした。
ハアハアと熱い息を乱して浅い呼吸を繰り返す中、ジュダルが再び鋭い痛みを送りだす。
舌を這わせながら下り、脚を強く噛み始めたその刺激に涙が滲み出た。
痛みに耐えようとして身体が苦痛に震えだす。
強い痛みは快楽への前触れだ。
足先まで噛まれたあとは、また先程のような彼の甘い熱に酔わされる。
また同じことの繰り返しが起こるのだと思うと、苦しくて、苦しくてたまらなかった。
「もう、やだぁあ! じゅだる、許してぇえっ……!! 」
ボロボロと涙をこぼして泣き叫ぶと、ジュダルが眉間にしわを寄せてこちらを見た。
「うるせぇーな! おまえの意見なんて聞いちゃいねーんだよ」
「うっうっ……、お願いっ……、もぅ……、ムリなのぉ……! 」
これ以上、繰り返されたら本当に壊れてしまう。
奥の方が熱く、きゅんきゅんと締め付けてきて、よくわからないくらいに身体が熱をもっていた。
息を乱す火照った身体は、刺激に過敏になりすぎて、もはや肌と肌が合わさっているだけでも弱い愛撫に感じてビクついている。
それが痛みのせいなのか、甘い刺激のせいなのかもわからなくて、どうしようもなく苦しい。
治まらない身体の疼きに、しゃくり上げながらジュダルを見つめると、彼の口元が大きくつり上がった。
「ほしいか? 」
「え……? 」
「どうなんだよ、ハイリア? 言えたら、許してやってもいいぜ」
ジュダルの言葉に凍り付く。
笑みを浮かべた彼の表情は、文字通り悪魔のようだった。
恐くなって、ハイリアは首を横に振るう。
「ぃやだ……、ジュダル……! 」
これ以上は、されたくない。
そんなことされたら、きっと耐えられない。
もうやめてほしいのだという懇願のつもりだったのに、首を横に振ったとたん、ジュダルの眉間に深いしわが寄った。