• テキストサイズ

【マギ*】 暁の月桂

第24章 緋色の夢 〔Ⅸ〕


「さて、あなたが杖をお持ちでないせいで、無駄な時間を過ごしてしまいましたが、杖がなくては何も始められません。とりあえずは、これを使ってください」

覆面の男に手渡された杖は、『銀行屋』たちがもつ杖と同じ、身長の高さほどもある大きな杖だった。

「ありがとうございます……」

── 大きな杖。こんな杖、初めてもつな……。

手にした長杖が物珍しくて、ハイリアがまじまじと見つめていると、男の大きな咳払いが聞こえた。

「では、早く行きますぞ! 新入りであろうと、あなたにも色々と手伝ってもらわなければ……。まだまだ、準備にやることがたくさんあるのですから」

「あ、はいっ……! 」

急ぎ足で歩き出した覆面の男に置いて行かれそうになり、ハイリアは慣れない杖を握りしめると、男の背を追って書庫の外へと飛び出した。



















/ 677ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp