第23章 緋色の夢 〔Ⅷ〕
「やだ、離して! 」
焦るこちらを面白がるように、体重をかけて身動きを封じてきたジュダルは、捕えた獲物に差し迫る獣のようだった。
「落ち着けって、大丈夫だ。すぐによくしてやる」
こちらの意向は完全無視で、覆い被さってきたジュダルの重みを感じて頭が混乱した。
身体を撫でてきた手は全然優しくない。
衣類の隙間に、無理矢理入り込んできた手の感触がして恐くなった。
ぞわぞわとした嫌な感覚が走り、それが胸元の方へと伸びてきたのがわかった瞬間、ハイリアの堪忍袋の緒がぶち切れた。
「やめなさいよ、バカァー!! 」
怒鳴り声と共に勢いよく放たれたマゴイが炸裂し、部屋に真っ白な閃光が走り輝いた。