第23章 緋色の夢 〔Ⅷ〕
「……っ!? やめて、これから仕事もあるんだから……! 」
「だったら、なおさら、おまえが誰のものか印しておかねーと」
そう言って、もう一つ強く赤い痕を残された。
さらにその下へと這っていく、熱いぬめりのある感触に身震いする。
「……ぃや……、ジュダルっ! 」
彼の腕から逃げ出そうとして、押さえつけられた。
首筋に触れた熱いものがゆっくりと下がっていき、痺れるような感覚に耐えられずに、息が乱れた。
「ふっ……もう……、やっ、めぇ……」
弱いところを刺激するように舌を這わせられて、必死で嬌声を堪える。
ぞくぞくとする強い刺激から逃れようとしたとたん、柔く噛まれて背中がびくんと跳ね上がった。
「ぁんっ! やぁっ……、離してぇえ! 」
ジュダルを引きはがそうと、絡む腕に手を差し込んで力を入れたとたん、身体が浮き上がる感覚がして、目が回るような衝撃を受けた。
気づけば寝台の上に仰向けになっていた。
その上から見下ろしている、ジュダルの姿に困惑する。
「まだ時間あるし、いいよな? 」
にやりと笑みを浮かべて迫るジュダルの眼差しは、恐いくらいにギラギラと輝いていた。
急いで起き上がろうとして、ジュダルに肩を押されて身体が寝台に沈み青ざめる。
人の気持ちもしらないで、覆いかぶさろうとしてくるジュダルに抵抗して、彼の手と揉みあいになった。
「ちょっと……! 朝から何考えて……!? 」
「っんだよ、いいだろ? 」
「い、や、だってば! 」
「ったく、暴れるんじゃねーよ! 」
聞く耳をもたないジュダルの手をかいくぐって振り払い、どうにか彼の身体を押しのけようと力を入れたが、上手くかわされてとうとう手を掴まれた。
力の押し合いでかなうはずがなく、強引に寝台へ押さえつけられる。