第23章 緋色の夢 〔Ⅷ〕
「っや……。いきなり何して……! 」
這わせられた舌先の艶めかしい動きに、ぞくぞくとして肩が上がる。
刺激から逃れようと顔を背けたとたん、耳を甘噛みされて引っ張られた。
「なぁ、おまえ、今夜もこっちにこいよ」
耳元で甘くささやかれて、背筋がぞくりとした。
とんでもない申し出に頬が熱くなる。朝から何を言っているのだろうか。
「な……! だ、だめよ! 」
「なんでだよ? 」
「……あ、明日は、合同で軍事訓練があるから! 」
「そんなもん、明日の話だろ? 俺は今日のことを言ってるんだぜー? 」
ジュダルの指先が、くびれに沿ってゆっくりと下がり撫でてきて、ぞわりとした感覚に身がよじれた。
首筋を甘く噛みながら登られて困惑する。
くすぐったいような刺激に、息が乱れそうになった。
「ねぇ、もう、やめて……! 」
「冷たいこと言うなよ。いいだろハイリア? 」
甘えてくるようなジュダルの声が耳に深く響いて、またぞくりとする。
「い、いやよ! ジュダルといると落ち着かなくて、眠れないし……」
「隣で眠ればいいじゃねーか。寝るなとは言ってないぜ? 」
昨日だって、ジュダルが寝付くまで眠らせてくれなかったことを忘れたのだろうか。
「と、とにかく、ダメなの! そういうことするなら、もう離れてよ! 」
「つまんねーなー……」
不機嫌な声がして、強く首筋に吸い付かれた。痛いくらいの刺激に頬が熱くなる。