第22章 緋色の夢 〔Ⅶ〕
「俺から目を逸らすなって言っただろ? 」
「だって……」
息を切らして前を向けば、不機嫌そうなジュダルが、視線を逸らすことなんて許さないとでも言うように、威圧的な眼差しを注いでいた。
「こらえてねーで声きかせろよ、ハイリア」
胸元に顔を埋めたジュダルの舌先が、淡く色づいた頂きに触れた瞬間、強い刺激が駆け抜けて息が詰まった。
「……っああ、だめぇ……! 」
胸のつぼみが執拗に舐められ、転がされ、何度も繰り返される刺激に耐えられずに、身体が震えて跳ね上がる。
「……っんあ、やぁん! っぁあ! 」
ぞくりとする感覚が止まらなくて、身がよじれた。
言葉にならない声ばかりが、乱れた息と一緒に飛び出していき、目の前がチカチカする。
「ぃやぁ……、ジュダルぅ……! 」
ビクビクと跳ねる身体の反応を止めたくて、彼の肩を押すけれど、大きな身体はびくともしない。
溺れるような刺激に腕の力が抜け、抵抗できなくなっていく。
こんな乱れた姿なんて見られたくないのに、顔を背けようとすれば、彼はわざと水音を立てて胸に吸い付いてきた。
「あんっ……はぁっ……! 」
恥ずかしさと痺れるような刺激に、おかしいくらいに喘いでしまう。
自分でも聞いたことがない、甘い声を出していた。
息が乱れ、身体中が熱く火照り、足先までもが熱をもって痺れてきた頃、ようやく刺激を止められる。
浅い呼吸を繰り返す身体は、火が付いたみたいに熱くて、頭がぼうっとしていた。
「ほんと敏感だよな、おまえ。すっげーエロい顔。そんなんで最後まで耐えられんのか? 」
荒く息を切らしている姿を見て、ジュダルは楽しそうに笑みを浮かべていた。
刺激に過敏になってしまっているのか、ジュダルの声音にさえ身体の奥がぞくんと疼いてしまい、なんだか悔しくなる。