第13章 私
「っ!!!!!ボスっ!」
驚きで単語が出てこない。
戸惑っていると誰かに後ろから両腕を拘束された。
東郷「やぁ!シャドウ。昨日ぶりだな。」
「は、はい。申し訳ございません…」
何に対する謝罪なのか自分でもわからなかった。
ただこれから私に降りかかるであろう恐怖を少しでも軽くするために謝ってしまったのだろう。
東郷「なに、謝る必要なんてないさ。
闇の世界の人間が光の世界に目がくらむことなんてよくあることさ。
さぁ!帰ろうか。タノシイ時間が待ってる。」
嫌だ、嫌だ嫌だ!!
ボスの言うタノシイ時間は今日彼等と過ごした楽しい時間とは意味合いが違う!!
ボスのは拷問のことだ。
自分の元から逃げる駒の足を折り、鞭で叩き、何週間にもよる水責め…
私はあの光景を側で見させられたことがあるが、
あんなの耐えられるわけがない!!
「くっ!!離せ!!」
後ろで拘束する人を振りほどこうと抵抗する。
周りの人は見て見ぬふり…
せっかく手に入れられそうだった自由を手放さなければならないことを確信したのだった。