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私立ウィスタリア学院~新米教師とイケメン教師たち

第3章 体育の先生


(何なの!?
いきなりあんなことされるなんて…!)

アヤセは自身に起こった出来事を
頭の中でうまく処理できず、
ただただバクバクいう
心臓の音を誤魔化すように
足早に廊下を歩いていた。

そのときだった。

ドンッ!!

曲がり角で思い切り人とぶつかり、
アヤセは尻餅をついてしまった。

「いたた…」

「大丈夫か!?」

スッと目の前に手が差し出される。

「あ、ありがとうございます。」

手を取り見上げると
そこには緋色の瞳が印象的な
白いジャージ姿の男性が立っていた。

男性は「悪かったな。」と言いながら
アヤセを起こした。

「い、いえ、こちらこそすいません…
ちょっとあわててしまっていて…」

「あ、もしかしてアヤセ先生だろ?
聞いてるぜ。」
男性はフッと微笑む。

「あ、そうです。
よろしくお願いします。」

「おれは体育科のアラン。
こちらこそよろしくな。」

(アラン先生か…
なんかさわやかな先生だな…)

アヤセがそう思ったその瞬間、
「…!!」
アヤセの目に
大変なものが飛び込んできた…!

アヤセはアランの
胸元に落とされたそれを見て
あわてふためく。

「え?」
アランもアヤセの目線の先に
視線を落とす。

そこにはぶつかった瞬間に
付いたと思われるアヤセのキスマークが
くっきりと残されていた。
それは白いジャージによく映えた。
パッと見ただけでもそこに目が行く。

「ごっごめんなさい!!!
今すぐ落としますから!!!」

アヤセはカバンから
ハンカチを出そうとするも
アランにその手を止められる。

「いいって。」

「え…?
で、でも後に残ってしまうかもしれないから…」

アランはスッと腰を屈めると、
アヤセの顔に自身の顔を近付け、
ニコッと微笑む。
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