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私立ウィスタリア学院~新米教師とイケメン教師たち

第8章 国語の先生


アヤセが目的の場所に
向かっていると
通りかかった部屋から
ピアノの音が聞こえてきた。

(この曲…)

音楽室と書かれたプレートが
掲げてある部屋から
聞こえてくるその曲は
クラシックの隠れた名曲
『雨音』だった。

思い出深いその曲に
アヤセは聴き入ってしまう。

(誰が弾いてるんだろう…)

扉の窓からそっと中を覗くと、
そこには女性さえも羨むような
金髪碧眼の美しい男性が
ピアノの前に座っていた。

(うわっ…すごい綺麗な人…)

その瞬間驚いたアヤセは
扉に足をぶつけてしまった。

ガタンッ

ピアノの音が止まり、
中から声が聞こえてくる。

「誰…?」

アヤセはそろそろと
扉を開ける…。

「す、すいません…」

「あぁ…君は…。」

「とても素敵な演奏で…
思わず聴き入ってしまって…。」

「そう…。」

「あ、あの、音楽の先生なんですか?」

「いや、
この学校の音楽の教師は
非常勤だから…

俺は国語科のルイ。」

「ルイ先生…
私は新しく入ったアヤセです。
よろしくお願いします。」

「ああ、よろしく。」

「あ、あの、今の『雨音』ですよね?」

ルイは少し目を見開いて聞き返す。
「知ってるの?」

アヤセはニッコリと微笑んで答える。
「はい!あの、思い出がある曲で…。
もしよかったら続きを
聴かせてもらえませんか。」

「ああ。」
ルイはほんのり微笑みながら
再びピアノを弾き始める。

アヤセは音楽室に入り、
ルイの弾く姿が見える場所の
イスに腰をおろす。

(思い出すな…あのときのこと…)
アヤセはしんみりと
その思い出を巡る。

(それにしても
ルイ先生…本当にきれい…)
思わずルイの弾く姿に見入ってしまう。
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