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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第35章 誘拐未遂事件/安室


ジャズの生演奏が流れる静かなバーに、カツンカツンと硬いヒールの音が響く。

「どうしたのバーボン。珍しいわね、あなたから誘ってくれるなんて。」
カウンターの隣の席に腰かけたベルモットはマスターにマティーニを注文すると煙草に火をつけた。

「さくらさんのことなんですけど。」
「ああギムレットね。彼女がどうかした?」
「何者なんですか、彼女。ただの一般人とはとても…。」
「さあ?医者なんでしょ?ジンが拾ってきた子だから私は詳しくは知らないわ。」
「そうなんですけど…体術が出来て銃の扱いも上手い。ジンは一体どこで彼女を…」
何か知りませんか、と問うとベルモットの形のいい唇が弧を描く。
「その自慢の鼻で探ったらいいじゃない。探り屋の名が泣いてるわよ。」

きっとベルモットは本当に何も知らないのだ。しかしジンからは直接聞けるわけもない。
やはりさくらさん本人に探りを入れるしかないか。

財布から札を取り出すとカウンターに乗せて席を立った。
「あら、私の分も払ってくれるのかしら?」
「ええ、僕から呼び立てましたからね。また彼女に関して何か分かったことがあれば教えてください。」
期待はしないことね、という声を聞きながら店を後にした。




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