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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第34章 関西弁の少年/服部


「ただい、ま…。」

数十分後、買い物から戻った蘭ちゃんの目にはさぞ奇妙な光景が映ったことだろう。
課題のプリントを解く服部くんとそれを傍で教える私。さらに私を挟んで逆側にこれまた私の説明を熱心に聞くコナンくん。たまに「そういう解き方もあるのか」なんてつぶやくもんだから、まるで私がコナンくんと服部くんの2人に数学を教えているように見えたはずだ。

私と目があった蘭ちゃんは小さい声で「夕食、出来たら呼ぶね。」と言うとキッチンへ入っていった。






「よっしゃ終わったでー!!」
「ご飯出来たよ!」
服部くんがガッツポーズをしながら床に寝転がるのと、蘭ちゃんがキッチンから顔を出すのはほぼ同時だった。

「すごい、さくらさんって数学得意なんですね!」
4人で食卓を囲む。
一応下の階にいる毛利探偵に声をかけに行ったのだが、ソファで寝ているようだったのでそっと毛布だけかけておいた。

「得意ってほど高校時代のテストの点は良くなかったけどね。」
「でもこの姉ちゃん教えんの上手いでー!医者やのうて学校の先生になった方がええんとちゃう?」
「それなら私もテスト前に教えてもらおうかなあ。」
「ふふ、私の授業料は高いよー?」
「えー?じゃあ今日みたいに夕飯、ご馳走しますから!」

それなら喜んで、と中央の皿に箸を伸ばした。
咀嚼しながら3人の会話を聞いていると思わず口の中のものを吹き出しそうになった。

「コナンくん高校の数学分かるの?」
「な、なんとなくね…三角とか丸とか絵が書いてあったから僕でも分かるかなーって思って…。」
「せやせや、隣で頓珍漢なことばっかり言いよってからに!」
「ははは…。」
冷や汗をかいているコナンくんに、ドンマイ、と視線を送っておいた。
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