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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第34章 関西弁の少年/服部


夜。私は毛利探偵事務所の前にいた。
手には帰りがけに買ってきたケーキの箱。
「それなら夕食一緒に食べない?いいよね、蘭姉ちゃん!」
とコナンくんにお誘いをいただいて、断る理由もなくその場で快諾。
蘭ちゃんがご馳走を作って待っていてくれると言うので、会場の片付けの手伝いもそこそこに急いで帰って来たのだ。



「こんばんわー…。」
しかし事務所の扉を開けるとそこには赤ら顔の毛利探偵しかおらず。
蘭ちゃん達はと尋ねると呂律の回っていない舌で上にいる、と教えてくれた。

階段を上がって扉の前に立つと、何やら中からわあわあと声が聞こえる。
意を決して扉をノックすると、どうぞとコナンくんの声が聞こえた。


「こんなん分かるかい!あの先生何考えとるんじゃ!」
扉の外で聞こえた声の正体は服部くんだった。
テーブルを埋め尽くすほど広げられたプリントを前に、右手にはペンを持っている。
「…学校の宿題?」
「そうらしいぜ。先週1週間、事件の調査で欠席してた分の補習プリントだってさ。」
「大変そうね。あ、これお土産、後でみんなで食べよう。」
「悪いなさくらさん。ありがとう。」
服部くんを横目にコナンくんに箱を手渡すと、再びテーブルの方から呻き声が聞こえた。

「そういえば蘭ちゃんは?」
「ああ、買い忘れがあるとかで買い物に出てるぜ。」

と、視線を感じてテーブルの方へ向き直った。
「なあ姉ちゃん、医者っちゅうことは医学部を卒業しとるんやろ?そらえらい賢いんやろうなあ。」
恨みがましそうな目で訴えてくる彼の意図が読めなくて、首を傾げる。
「医学部っちゅうたら理系やんなあ。…頼む!この数学のプリント代わりに解いてえな!」
「服部…お前…。」
「せやかて分からへんもん!しゃーないやろ!」

呆れ顔のコナンくんと、開き直って何故かややキレ気味な服部くん。
2人の顔を交互に見て、仕方ないなあと呟いた。
「ただし、教えるだけだからね。ヒントはあげるけど自分で解くこと!」
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