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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第33章 禁煙します/ジン


ウォッカの作ってくれた料理がテーブルに並んで、ジンの持って来てくれたワインをグラスに注いだら準備は完了。

片手で食べられる料理を摘みながら各々好きな本を読む。これまでに何度か開催されたこの読書会は私のお気に入りだった。

意外にも、と言ったら失礼だがウォッカも中々の読書家で、今私の手中にある本はウォッカから借りたものだ。



ぱらり、静かな部屋に頁をめくる音が響く。
そして時折誰かの咀嚼する音と嚥下する音。
時計の秒針すら聞こえそうな静寂の中、シュッと何かを擦る音が聞こえた。

顔を上げると煙草を咥えたジンの姿。
目は本に落としたままだということは、無意識なのだろう。
そのマッチの火が煙草に燃え移る前に、私は再び息を吹きかけた。

ガチャリ、と鈍い金属音。
流石に銃を向けられるのは想定外で、短く息を飲んだ。
しかしそれはすぐに彼のポケットにしまわれる。

「条件反射だ…悪い。」
そう一言だけ呟くと、ジンは再び本を開いた。

その言葉に驚いたのはウォッカも同じだったようで、お互いに顔を見合わせて目を瞬かせた。
まさかあのジンの口から謝罪の言葉が出るとは。明日は雪でも降るんじゃなかろうか。
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