第32章 (番外編)初詣
鳥居をくぐってすぐ、高く炎の上がっている一角へ。
参拝客が銘々持ち込んだしめ縄やお札を火にくべている。
「あ、佐藤刑事と高木刑事じゃないですか!あけましておめでとうございます。」
歩美ちゃんが鞄からお守りを取り出そうとした時、二人組の男女に光彦くんが声をかけた。
どこか見覚えのあるその二人を、光彦くんが刑事と敬称をつけて呼んだことですぐに思い出すことができた。
以前殺人事件でお世話になった一課の刑事さんだ。
どうやら向こうも私のことを覚えてくれていたらしい。
目があったので会釈をしておいた。
「みんなも初詣?」
「そうだぜ!」
「頑張って早起きしたんだから!」
「さくらさんと一緒に来たんですよ!」
口々に喋る子供達を横目に、哀ちゃんとコナンくんは黙々とみんなの分のお守りを火に投げ込んでいる。
「大変ですね、子供達のお守り。」
近寄って来た高木刑事がその様子を横目で見ながら口を開いた。
「あはは、でもコナンくんと哀ちゃんがしっかりしてますから。」
「確かに。あの2人ってとても小学一年生とは思えないですよね。」
頷く高木刑事に少しだけ罪悪感を覚えた。