Everlasting Lovers *ディアラバ*
第9章 新たな協力者
そして学校が始まってからはじめての土曜、スバルくんとシュウとまたスラム街へ出向いた。そこで思わぬ情報を手に入れることになる。
「 エドガー? 聞いたことないな。」
やっぱり、この人も知らないか…
聞き込みを続けるも一向にエドガーを知る人には出会えなかった。
「 …でも、俺もあの火事の生き残りだ。」
「 え?」
「 少しはいたんだ、ここにも。火事のショックで記憶を失くして迷い込んだ奴や家族を亡くして居場所がなくなって ここに来た奴。」
「 そうだったんですか…」
話してくれた少年の顔に陰りがさした。
「 なあ、あんた 町に住んでたんだろ?」
「 はい。」
「 貴族っぽい奴、知らねーか?」
「 貴族っぽいやつ?」
「 あの日、見たんだよ。黒い髪の貴族のガキが火をつけんのを。」
火をつけた……?
「 あの火事は事故じゃ…」
「 表向きはな。でも 俺はあのガキが火をつけんのを確かに見たんだ…」
憎しみを目にこめ、唇を噛み締めながら 彼は そう言った。
その話を聞いた後、帰ることにした。
今まで ずっと事故だと思っていたから、彼の言うことを信じきれなかった。それに 今更 犯人がわかったところで、過去は変わらない…
ふと シュウの方を見ると、何か考えてるようだった。
「 シュウ? どうかした⁇」
「 … いや、なんでもない。」
そう言ったきり、彼はいつにもまして静かだった。
家に帰ると、どっと疲れがでる。何か休まるものを飲もうとキッチンに向かうとレイジさんが私を呼び止めた。
「 リリさん、明日は家にいてください。」
「 …….?」
「 あの人から聞いているはずですが?
生贄の花嫁が明日、来ます。」