Everlasting Lovers *ディアラバ*
第1章 出会いとはじまり
「荷物はそれだけですか?」
長男だろうか? メガネを掛けた男の人が、玄関で出迎えてくれたる。
「はい。初めまして リリと申します。突然のことで すみませんが、どうぞよろしくお願いします。」
ふっと彼はため息をつき、目を細めた。
「今さら、隠し子が1人発覚したところで、驚きもしません。」
「えっ? あのっ違います! そういうんじゃなくて…」
「なら、新しい母親ですか?」
「絶対に違います! 一身上の都合とカールハインツさんのご厚意 で、しばらくこちらに住まわせていただくことになりました‼︎」
新しい母親なんて冗談じゃないと思って 力説したのに、彼の目つきは厳しさを増す一方だった。
「あの人の厚意ですか…これ程、信用ならない理由もありませんね 。」
うっさすが息子、わかってらっしゃる。どう説明しようか あたふたしてると、彼はいっそう深いため息をつき言った。
「まあ いいです。あの人から聞きました。貴女は私達の正体もこれからの計画も知っていると、貴女に何か隠す必要はない。それに、貴女とあの人の約束なんて知ったことではないですし」
と、荷物を持ち、スタスタと歩いていく。吸血鬼だからなのだろうか とても美しく俊敏な動作だった。
「あっ荷物 ありがとうございます。」
「別にこれくらい構いません。それと鍵です。」
金に輝く やたら オシャレな鍵を渡された。開けるよう促され チョコレート色のドアを開く。
「 わあ… すごく綺麗…」
窓からは夕日が射し、白いピアノを彩り、近くにはアンティークな机と椅子。そして…
「…かわいい。」
女の子なら一度は夢に見るだろう 白い天蓋付きのベッドが部屋の隅で輝いてみえた。
「ここが貴女の部屋です。後はどうぞご勝手に」
そう言うと、彼は踵を返した。
「あっ待ってください!」
「なんです?」
この上なく、不機嫌な顔を向けられる。でも確認しなきゃ…
「あのっ 私の血のことなんですが、、」
「ああ、そのことなら聞いています。飲むつもりはありませんよ。 ただ 言っても聞かないバカ が3人いますので、せいぜい気をつけてください。」
「はあ、、で あのもう1つ…」
「まだ あるんですか?」