Everlasting Lovers *ディアラバ*
第10章 生贄の花嫁
「 キミが ビッチだから呼んでるわけじゃないよ? 」
首を傾げながら、ライトがそう言った。
「 … わけわかんない。」
ライトが不気味に微笑んでいる。正直、ビッチちゃん呼びは嫌だが ライトが止めるとは思わない。諦め、またユイちゃんと話そうとした時だった。
「 おい!こっち来いよ。面白いもん見れんぞ‼︎」
窓際で騒いでいたアヤトが 私達を呼んだ。
気になり 3人で窓側に行き、アヤトの指差す方を見た。
「 … スバルくん?」
教室から見える裏庭で スバルくんが何かしていた。
「 んふ、スバルくんが花を育ててるなんてね〜 あんな土だらけで。」
「 …… あれで花を育ててるつもりなんですかね。僕には土相手に癇癪起こしてるようにしか見えないんですが… 」
いつの間にか カナトくんも 一緒にスバルくんを見ていた。
「 行ってみよーぜ!」
アヤトがユイちゃんの手を取り、スバルくんの元へ向かう。
私もライトとカナトくんと一緒に2人の後を追った。
裏庭に着くと、スバルくんは私達にも気づかず せっせと花を世話していた。アヤトが驚かせようと 後ろから忍び寄ると、瞬時にスバルくんがアヤトにナイフを向けた。
「 なっ何すんだよ⁈ 」
ギョッとしたアヤトを見ると スバルくんは我に返ったようにナイフをしまう。
「 なんだ、お前らか。」
「 他に誰だと思ったの… ?」
あまりの警戒ぶりに 何かあったのかと心配になる。聞くと、スバルくんは真剣な表情で言った。
「 この花をどこぞの誰かが抜きにくるかもしれねぇ」
警備万全、しかも分かりにくい場所にある学校の ましてや裏庭に植えられた花なんて誰が狙うのだろうか、、、
必死な様子のスバルくんをライトが呆れた風に見下ろす。
「 誰も取らないでしょ? こんなどこにでもありそうなの。」
「 わかんねーだろ! 何かあってからじゃ遅いんだよ。この花は…」
スバルくんは優しく 白い花びらに触れた。
「 やっと咲いたんだ。あいつに見せるまで 絶対に守ってみせる…」