第1章 はじまりと契約。
ブラックアウトさせてた意識が段々と晴れてきて、目を開けてみればそこは見覚えが無い景色だった。
自分が横たわってるのは雲みたいな感じの地面。
ふかふかしてる。羽毛100%の毛布よりもふっかふかな気がする。
ぼんやりと視線を横に・・・方向的に言えば空に向ければ、どう言う訳か月と太陽が対面していた。
マジでか。・・・いやいやマジでか。
対面してるって言うか、青空に三日月が浮かんでてその上に水面?みたいのがある。その水面の向こう側には星の無い夜空に太陽が浮かんでる。
専門家とか非科学的な事とかさっぱりなんだけど、有り得なすぎなんじゃないだろうか。
取り敢えず起きようと思って、のっそりと体を起こした。
『・・・あー、ここあの世的な空間なのかな。
なんともファンタジーな風景だこと・・・』
「やっぱそう思うよなー。
俺ももっとこう・・・ホーム感ある風景の方が良いと思うんだけどさ」
『・・・・・・うっわっ!?』
「おっ。
ナイスリアクション!
いいねいいねえ〜、そうこなくっちゃな♪」
『え、は・・・・・・誰・・・?』
おそ松「どーもー。俺、赤塚枠星で長男やってるおそ松!
こう見えてもカリスマレジェンドで人間国宝的な存在なんだぜー♪」
自分以外に誰か居るとは思いもしなかった、と言うより誰かが居たなんて知らなかった私はぎょっとした。
慌てて振り向けばそこに居たのは1人の青年。
ニカッと八重歯を見せて人当たりのいい笑顔を浮かべている。
自分をおそ松、と名乗った青年。
日本国籍っぽい名前の割には着ている服装が洋風な感じがする。
赤い七分袖のインナー。その上に袖口がギザギザの白い透けてるパーカーブラウス。下は紺色のジーンズ。
額には五芒星の中に・・・松?が入ってる紋章みたいなマークがある。
気の所為じゃないなら、耳が尖ってる。
・・・何かのコスプレ、なのだろうか。
と、言うかちょっと待って。
うんちょっと待って・・・。