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The result of revenge [ディアラバ]

第6章 Casual everyday~何気ない日常~




物心ついた頃、万魔殿の中での生活が息苦しいと感じていた。そんな時だった、シン君に勧められたピアノ...もちろんシン君はピアノを弾ける訳じゃなかったけれど、退屈しのぎにはなるだろうって言ってくれた。
それからしばらくずっとピアノと向き合い、本を読み、何とか弾けるようになった頃には、私はピアノが大好きになっていた...

「少し弾いちゃおうかな」
最後にピアノを弾いたのは、そんなに前の事じゃないのに、何故か懐かしい気持ちになった

椅子に座り、鍵盤に手を置く
月明かりに照らされた白と黒に指で優しく触れる

~♪

その音色は、私の気持ちを落ち着かせる...

シン君やカルラさんは今頃どうしてるだろう
私が人間になってしまった事で、新しい自分に出会ってしまった事実をもし知った時に、受け入れてくれるだろうか...
そんな事ばかりが頭に浮かんできた。

私はその思いを旋律にのせる

とても静かで悲しい、けれどどこか新しく強い意思を表すかのような、そんな音色...

ふと、私の頭の中にレイジさんの顔が浮かんでくる。
自然に手が止まった...

「レイジさん...今頃何してるんだろう」
ふと声に出す
窓の月明かりだけがこの教室を照らしていた

レイジさんとは、あの部屋での出来事から言葉を交わしていない。学校についてからも、学年が違う事で姿も見ていない
そんな事を考えていたら、突然心細くなってしまっていた...

ふと鐘の音が鳴り響く

「ヤバイ、私皆を探していたんだっけ」
私は立ち上がり、教室を後にした



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