The result of revenge [ディアラバ]
第5章 Destiny~運命~
それからしばらくして、オレはいつも通りユウラに悪戯しようと、部屋まで足を運ぶ
するとユウラの部屋から、兄さんとユウラが話している声が聞こえてきた
『オマエには、カールハインツの息子共の元へ行き、そして親しくなって欲しいのだ...。』
「え...兄さ...ん?」
兄さんが何を言っているのか理解出来ない、このまま部屋に乗り込んで暴れてやりたい...けど、出来ない...オレにはそれが出来ない──
告げられた事を理解出来ずに叫ぶユウラ。その声を遠ざけたくて、すぐにその場から立ち去った
「兄さん...オレはどうしたらいい?...」
問い詰めてやろうか...兄さんが何を考えているのかを
そんな事を考えながら、広い屋敷の中を途方もなく歩いていた...
気がつくとロビーにたどり着き、高い天井を見上げていた
「...シン...」
その声に辺りを見渡すと、ユウラの部屋の方向から、兄さんが歩いて来る。
オレは言葉に詰まった
「こんな所にいたのか」
「...オレを探してたの?珍しい事もあるもんだね」
「何だその皮肉は」
オレは普段通りの兄さんに腹が立った
あんな訳の分からない事言っておきながら、いつもと変わらないなんて...オレには理解出来ない。
「シン...」
不機嫌なオレに気が付いたのか、兄さんの方から話し出す
「嫌だよ、聞かない」
「...何故だ」
聞きたくない...
「聞けと言っているのだシン!」
兄さんは珍しく声を荒らげた。その様子から察してしまったんだ...今回の事は、兄さんだけの考えじゃないのだと
「わかった...聞くよ」
そして、兄さんに全てを聞かされたオレは、頭の中が真っ白になる
その後はオレが何を言っても、
「王たる私の権限だ」
それの一点張りで、オレの意見など聞きもしなかった。
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