The result of revenge [ディアラバ]
第8章 Confident feelings~確信した想い~
「連れて行くか行かないかよりも、私は先程なぜ貴女が魔界に行きたいのか、と尋ねたのですよ?私の質問にちゃんと答えなさい。」
「...ごめんなさい。今はまだ言えません。」
俯いていたユウラが、また私としっかり目を合わせながら、きっぱりと言い放った答えに、私は何も言葉を返せなかった。
この私が言葉に詰まるとは...ね。
「だから、お願いです!一緒に行ってくれませんか?」
彼女はどうしても魔界に行きたい理由があるのだろう...それは、ユウラの真実に近づく事なのだと、理解した私は
「貴女がそれほどにまで強く願うのなら...いいでしょう、連れて行って差し上げます。しかし、いいですか?この人間界も、魔界も、同時に月蝕が始まるのです。そして魔界の月蝕は、人間界のそれよりも長いと言う事をお忘れなく」
「分かりました...」
ユウラは私の手を再び取り、さっきよりも強く握りしめた。そして、二人共顔を背けると、しばらく黙った───
握られた手の温もりをかんじながら、私は思う...
彼女を魔界へと連れて行く事が、どれほどまでに危険な事なのか、さすがの私でも、どうなってしまうのか予測が出来ない程に危険だ
もちろんそれは、月蝕の期間にヴァンパイアの私の力が鈍ってしまう事もそうだが、お父上から直々に忠告されている事もまた気になっているからだった────
私は握られていた手を自然に離し、彼女に言う
「では明日、下界の月蝕が始まる少し前に、私の部屋へと来なさい。」
「分かりました...レイジさん、ありがとうございます...私の決意と本音の気持ちは、その時に話します」
そう言って立ち上がり、リビングを立ち去ろうとするユウラの後ろ姿を眺めながら、私もまた彼女への想いをはっきりと打ち明ける時が来たのだと確信した。
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